『 俳 句 』 能なし

俳句初心者が、俳句で綴る日記帳    『難読語読めぬ俳句の冬講座』

『石取や七つ拍子に町躍る』

日本一やかましい祭り「石取祭」。 三重県桑名市の祭り、町ごとの祭車が40台も列をなし、太鼓と鉦を打ち鳴らす、けたたましい音、そのリズム! ゴンチキチン ドンドンシャカシャカシャカシャカゴンチキチン 社地整備のため氏子が神社へ川原の丸石を取って、…

『井戸水の十五度そそぐ冷素麺』

「井戸水」、現在も飲用されてる宅もあるようですが。 近隣では、飲用は市の上水道を利用し、井戸水は花や、野菜の水やりに利用している方も。 地下水の温度は一年を通して一定であるが、夏の井戸水は冷たく感ずる。 素麺を井戸水で冷やした味、冷たく喉越し…

『片陰の途切れて城下七曲り』

直射日光が厳しい。 帽子では足りず、男性も日傘をさす時代。私も黒の折り畳みの雨傘を、日傘として使う時もある。 街を歩く時、意識せずとも陰を探して歩く自分がいる。片陰を踏んでいる。 当地も城下町の地区があり、旧道に枡形をした曲がり角が今も残る。…

『百姓家開けつぴろげて軒風鈴』

一気に連日の高温、33℃ 35℃!昭和の農家の生活様式、屋敷は広く、家も大きな座敷、居間、台所であった。 夏は、家の窓全て開けっ広げて、部屋に風を通した。北の窓から、蔭の涼しい風を部屋に入れ、部屋は風が抜けていく。畳での生活、さっぱりとした感触。 …

『湧き水の音色に浸る稲の花』

夏の日差しの今日、稲に青い粒が群れている田を見つけた。 稲穂の姿を見せ、そこには小さな白い花がついている。 一粒一粒に白い花が! 4月中旬に田植、今、稲は花をつけている。実りの秋を期待させる稲穂でる。 谷間の稲田。湧き水を引き込む溝はコロコロと…

『川よりも低く青田の輪中村」

木曽、長良、揖斐川に囲まれた、輪中の長島。 肥沃の土壌を活かし、耕作地は今一面青田となっている。 輪中村は海抜0m以下の地帯。満潮時は潮位の1.2m下になる。川の堤防は2階建て家屋の屋根より高く見える。輪中に入り堤防を見上げると、圧迫感で、川の底に…

『河原呑む太き本流送り梅雨』

長梅雨に、青田は水を吐き出し、畑の畝間は浸水。 稲、野菜、草木は水分たっぷり。 梅雨末期の豪雨、雷鳴もあり、これで梅雨終わりとなるのか。 当地の河は、普段は水が枯れ、砂や石の河原も、今は河の本流となり、大河の姿を見せている。 今日も雷注意報!

『竹箒振り下ろす子の蛍狩』

今年も蛍が観れない。 10年前までは、田んぼの用水路で20匹位は見れたのだが。 団地開発した緑地帯でも、ほたるの里としてホタルを飼育して、飛翔観察会を毎年6月実施しているグループがある。 が、昨年は幼虫の生育が悪く、今年もコロナ感染防止で観察会…

『整田の碑の有志の名青田波』

今、雨も得て青田が清々しい。 直線の二千歩いまだ青田中。 一面の大青田である。 ここは元々平坦な地で、昔より田に水を引くことに難儀していた土地であったと。 昭和50年代地元の有志が、狭小地をまとめ区画整理、用水路を作り土地改良をした土地。 その…

『草取るや風に揺れ出す野菜苗』

この時期、畑の雑草も勢いが良く、草引きをしてもまた、すぐ出てくる。伸びてくる。 6月18日に草引きした、オクラの畝は、雑草の畝になっていた。 昨日の梅雨の止み間に、草引きした。 ただ淡々と目の前の草を引いた。老いには老の時流る。風のまま。 畝は草…

『空の風触るる高さに今年竹』

2ヶ月前の4月26日、筍を見に行った竹林。 今日の様子は、若竹が親竹の高さに近づく程になっている。筍が生長して、若竹となるのはいかにも早い。2ヶ月のことである。 脱いだ竹皮は根元に少し残るだけ。若竹の節を見ていると、「いつのまに筒を積み上げ今年竹…

『紫陽花のいろどり讃へ花手水』

我が街の、神社の手水舎。水を満たした容器に、紫陽花の毬が浮かべられている。 手水鉢ではないが、花手水。 水に浸る紫陽花は、いろどりが更に映える。 手水で手を浄め、眼も浄められる!

『大夕焼水田見まはる肩の鍬』

昨日の夏至、19時頃の夕焼けである。 植田は苗の成長促進に、水の加減が重要な時季のようである。 深水、浅水の調節や、水温の上昇に努めたりするそうで。夕方の水田近く、軽トラックが止まり、鍬一本を肩にかけ田の畦を歩く人をよく見かける。 昔は耕牛の…

『しつとりと手ざわり残る茄子をもぎ』

昨日は畑の草刈り、草取りで一時間程。 野菜作りとは草取りでもある。キュウリ、ナスの収穫ができるようになった。万願寺、シシトウ、トマトも実をつけ始めた。畑は夏に入っている。 ナスは害虫に喰われ、穴をあけられるので、網目の袋を掛けている。ナスの…

『滝の水落ちる白さや落ちてなお』

昨日は暑さを感じ、山峡に足を運んだ。高さ30m位の滝を見に。みそぎの滝で、不動明王が祀られている。 が、何と昨日は滝の水が落ちていなかった。滝の上の水の道が変わったのであろうか? 一方向かい合わせの崖を落ちる、幅の細い滝は水量多く見えた。 崖に…

『明易し波音寄する旅枕』

夏至近く、日の出は4時37分とある。 10数年前の夏は、朝暑くなる前の5時には大型犬の散歩に出かけていた。 2年前の、中学時代の野球部7人で志摩の民宿に泊まった朝を思い起こす。 深夜まで話しこみ、布団に入った。海岸近くの宿、沖から寄せくる波の音が…

『時の日や和時計きざむ藩主の間』

ネットの出典で、和時計とは江戸時代に使用された、不定時法を用いた時計。 不定時法とは、日の出を一日の始まりとして、日の出と日の入りの間を六等分する定めで、季節によって単位時間の長さが異なっていたとある。現代は一日を二十四等分の定時法。 その…

『もこもこと背伸びする山若葉風』

お月見の寺、山の中腹に向かった。行基寺、美濃高須藩の松平家菩提寺である。 お寺ではあるが、隠れ城とも言われる、藩主の別邸でもある。 途中の山、緑の濃淡をいく種類も並べている。 もこもこと! 若葉!

『青葦や潮の香仄と汽水域』

揖斐川の河口は、中州が細長く位置とり、青葦を茂らせている。 淡水と海水が混じり合う汽水域である。 潮の香りが、ほんのりと嗅覚をくすぐる。 かすかな香り! 汽水域はシジミの漁場である。シジミは春の季語であるが、漁師さんは5月頃がよく穫れると話し…

『行々子中州の風を刻みけり』

揖斐・長良の大河の河口は、中州も長く伸びている。 背丈の伸びた葦が茂っている。 その中州、行々子の声一色である。天下をとっている様子。 鳴き声が「ギョギョシギョギョシ」と歯切れの良い声。 風を切っている! 風を刻んでいる!

『学舎のカーテン膨る若葉風』

梅雨晴れ間。 校庭周りの葉桜は、緑を濃くしている中学校。 教室の窓では、カーテンが膨らんでは外側に飛び出して。 教室の中、渡る風の心地良さを想像する。 休み時間と見え、教室の窓から叫声が漏れ聞こえる。 若葉風!!

『おおらかに綿雲流る卯月かな』

今日、お隣より生垣を剪定する音、我家は家周りの草引き。 何か体を動かしたくなる陽気である。 空は綿雲が膨らみを大きくしている。膨らんでは千切れ、千切れては宇宙船がドッキングするようにも。 常に姿を変えている綿雲。 卯月の1日である!

『角角に水音弾む植田村』

水神の祀られている溜池。今、早苗田に向けて水を送るのに忙しい。 なだらかな斜面を下る水。民家の傍を通ることも。 直角に曲がることも多く、その角では水がコロコロと音を奏でている。 小刻みに、心地よく!角を曲がる時に水は、渦を巻いては消しての繰り…

『青山の裾野を焦がし麦の秋』

(せいざんのすそのをこがしむぎのあき) 鈴鹿の登山口近くの村、今黄金色に熟した麦が収穫を待っている。 畑十数枚が揃って一面、鈴鹿の裾野を焦がすように。 そこだけは、正に秋真っ只中である。 山は初夏の色! 裾野は秋の色!麦秋の風が吹き渡る中に、一…

『新緑の粒子降りしく登山口』

鈴鹿の新緑を見に、登山口まで行った。見上げる山は期待通りの新緑。登山道に一歩踏み入れば、 そこは、緑の粒子がしきりに降っている! 粒子に包みこまれるようだ!「もこもこと新緑の木々背伸びして」 木々の勢いを見た。

『薫風に言の葉載せてカフェテラス』

緑の木を渡ってくる風! 緑の匂う風! 心地よい柔らかな風! 風薫る季節。田舎にも大手コーヒーチェーン店がある。しかも、テラス席があり、薫風を満喫する客の姿が。 会話の楽しそうな家族、若者の姿がある。 また、ドライブスルーの利用客で、車が10数台列…

『夏光る農用水の走り出す』

田起こしが済、水を入れて代搔きする準備が始まっている。その次は田植えとなる。 農業用水路は、4月下旬に田の所有者が協働で溝浚えを済ませ、今、水が走り出した。 水はキラキラ光り、そして農地は活き活きと動き出した。 兼業農家であるが溝浚えの時は、…

『陽光に甘たるし香の苺畑』

露地栽培の苺が、紅をつけ始めた。房に5個位実をつけ、1個は真紅に熟れている。旬にはもう少し高温の日数が必要か。隣の畑の様子である。でも近づけば、ほんのりと甘たるい香りを漂わせている。甘たるい香りである! エンドウ豆、空豆も莢に実を入れている…

『剣先に水玉飾る若緑』

草木の緑が、雨で勢いを増している。庭の松も芯が立ち、針葉も伸ばしている。雨で水玉光らし!川の土手では草藤が、川沿い100mの景を!30年前の土手は、秋に背高泡立草が占拠していた。数年前の春は、特定外来種のオオキンケイギクが黄色をなしていた。 最近…

『切株の横たかんなの生気立つ』

役割を終えるもの、新たにうまれるもの!筍生産者の竹林は明るい。間伐され、陽が差し込んでいる。 切株が残るその傍らに、3〜4年竹の茎より筍が生まれくる。 小振りで料亭用の若筍を、掘り当てるのは難しい。地面の竹落葉より、筍の穂先が見えていれば太く…