『 俳 句 』 能なし

俳句初心者が、俳句で綴る日記帳    『難読語読めぬ俳句の冬講座』

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『生薬の果樹の庭とす植木市』

金柑の苗木を鉢植えして一年。今、小さな実をつけている。収穫時期であるが10個もない。 先日、鳥が啄ばみ、裂けた実が庭に落ちていた。鳥も食べられる味でなかったのだろうか? 金柑は風邪予防、心筋梗塞予防で金柑ジャムをと思って植えたのだが。 近くの園…

『純白のひかり振舞ふ畑の蝶』

畑の春。早くもエンドウ豆の花が咲き出した。 紋白蝶が折線を描き、飛び回っている。真っ白なハネ、光を撥ね眩しい! 蝶が、一気に活力を入れし畑。今日はジャガイモを植えた。種芋を二つに切り、切り口には木灰を塗って。半月後、茎の丈が10cmに伸びた頃、6…

『剪定や借景の嶺描き足せる』

狭庭の松の木、貝塚伊吹を毎年春に剪定している。剪定後、部屋の窓から見る遠景は広がっている。 ご近所では庭木が伐採され、生垣もアルミ製フェンスに変わったりしている。 毎年剪定しないと手に負えなくなる庭木、生垣。町内も高齢化で緑が切られゆく。 今…

『美濃平野大河に満つる春の色』

揖斐川、長良川が伊勢湾へと流れる低湿地の美濃平野。 今、標高403mの山よりの展望は春の色。曲がりくねる大河は青みを増し、龍の青。 龍の姿が浮かび上がるようにも映る。 季語「龍天に登る」とはこのことか!

『水神に酒ワンカップ池温む』

山あいの農業用水の溜池、傍らに水神の社がある。小さな社に半開きのコップ酒が供えられている。 今、一部で田起こしが始まり、稲作には大事な水。 ところで、溜池には、三十匹位の鯉が。動きはゆっくりだが、伸び伸びと泳いでいる。養殖している訳でもなさ…

『波すくひ波に返す児春の波』

俳人山口誓子の句碑を訪ね、鈴鹿の海に行った。「海に出て木枯帰るところなし」誓子昭和16年〜28年 四日市、鈴鹿の海近くで療養されていた。誓子が見た光景と同じ場所に立つ。 句にはその場所の特徴を捉え、季語によって凝縮されているようにも。句を読み、…

『草萌の曲線重ぬ千枚田』

千枚田に、鋭角はない!千枚田はたくさんの小さな田が、階段上に並ぶ。それは山の地形を残す。 今、田んぼの畦は草の芽がひしめいている。 草萌だ!千枚田の畦が、草萌で縁取られている。 千枚田には、目に眩しい程の“鋭角”はない。回り全て曲線なのだ。 目…

『河底の春泥や干す漁師服』

「シジミは山で育つ?」 シジミ漁は“チャンチャン”という鉄製の漁具で、河底を引っかいてシジミをすくい捕る。漁港に帰って選別し水槽でシジミを洗い、泥を落とす。そして糶の市に出す。作業を終えたおばさんが、防水つなぎ服を脇に抱え帰宅して行った。漁…

『不意を衝く川原の羽音雉の立つ』

山の畑では時に“ケーンケーン”と鳴き声を聞く。 川沿いを散歩してると、突然に川原で“ばたばた”と音が、驚いて振り向くと鳥が飛び出していった。川原も生息地とする雉である。3年前のことで、ここ2年は川原で雉の姿を見かけていない。地酒となる酒米を作っ…

『地虫出づ巣箱塗替ふ養蜂家』

虫の活動も活発になる春。 当地区の養蜂家さんも、蜜蜂用巣箱の塗装を、薄黒く塗り直しては春本番への準備をしている。4〜5月は当地区の菜の花等で、6月からは北海道でアカシア、クローバーの蜜を採取するとの話を聞かせてくれた。 昭和の中頃は、レンゲ…

『夕空の女生徒ハモる春の道』

音楽室から、そのまま下校して来たかのような中学生5、6人。女生徒らの家路である。 歌を歌い、それもハーモニーとなって。仲の良さが、そのまま歌に重なりあって。左は田んぼ、右に民家が並ぶ道。町に明るさ、楽しさ置いて行く。 卒業、門出と身も心もスキ…

『啓蟄や畝割り付くる畑ノート』

家庭菜園である。畝作りはスコップと鍬の手作業。ミミズも飛び出してくる。 冬眠していた地虫が穴を出るという啓蟄は3月5日だ。夏野菜の準備に入る時期だ。ジャガイモ、人参、ブロッコリー、キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、他。7本の畝にどう植える…