『親指に陽のいろ残る蜜柑狩』
太陽の色になりきる蜜柑!
郊外の園芸センター隣地で、蜜柑狩りが行われている。
若い家族連れが楽しんでおり、4個食べたと女の児の声も聞こえてくる。
走り回る男の児も。
先日は幼稚園の団体がいた。
蜜柑狩り用の畑に若い木を育て、低い枝にいっぱい実をつけている蜜柑。
自然に触れて子供も快活だ。
『夕風に草焼く匂ひ八つ頭』
芋は水で土を落とし、3日程乾かし保存食とする。
隣で農家さんも、出荷用の里芋を栽培している。茎が太く芋も大きそうだ。
余り手をかけてないように見えるが、何が違うのか。
土いじりの仲間の畑より、煙が漂って来る日の芋掘りであった。
八つ頭は里芋の種類のひとつ。
『山風に翅たたみけり秋の蝶』
やや冷たき風、山から吹き下ろす風のあり。
蝶は向かい風に抗うことなく、地に降りて風をやり過ごす。
じっと耐えるかのように。
しばらくして、草丈の高さを再び舞う秋の蝶であった。
晩秋!
『茶の花や庭蔵の立つ農屋敷』
敷地の境界には、茶の木が植えられている。
春には茶葉を摘み、自給自足していたものだ。
当地の旧農家さんの屋敷には、今も母家、納屋、蔵、厠などの建物が建っている。
昭和の時代、庭蔵は収穫した自家用の一年分の米などが、納められていた。
垣根の茶は、今、花が咲かせている。