『 俳 句 』 能なし

俳句初心者が、俳句で綴る日記帳    『難読語読めぬ俳句の冬講座』

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『峡の畑あれこれ熟れし銀杏の実』

銀杏の実。銀杏の葉はまだ緑、黄葉はこれから。 色づいた実を、いっぱい枝につけている。 農家さんがシートを敷き、落ちる実を収穫するようだ。 食する〝ぎんなん〟とするには手間をかける。 種皮は悪臭や、手で触ればかぶれもする。 スーパーの地元農家さん…

『朝風に撓ひて遊ぶ猫じやらし』

小さき風に、大きくしなる、猫じゃらし。 農道に、路地に、空き地にと、人の足にも寄りかかってくる。 家猫は、ヒモを垂らしてあげると、喜んで飛びついてくる。しばらくは飛び跳ねたり、寝転んだり、猫も考えてじゃれている。自分で遊んでいる。

『ゼンマイの気怠き時報夜長かな』

昭和の世、ゼンマイ時計が夜中に打つ時報である。 ゼンマイの、バネがほどけきる頃、時報の音は間延びしており、その音は余計に夜を長く感じさせたものである。 ゼンマイ時計は、今も実家の居間に掛けられているが、使ってはいない。 2年前、名古屋の大須観…

『改札へつづく野道の秋桜』

今朝は、台風の影響で雨風強かったが、畑の野菜を心配する程でなくおさまった。 一昨日のコスモス田の様子は、二分咲き。 隣町のローカル線駅前にある休耕田。毎年場所を変えて休耕田に一面コスモスが咲き誇る。アートを感じさせる町である。 電車は小型の電…

『一村の天地しづもる虫の声』

当地区の一部で、稲刈が始まった。力強い、コンバインの動力の音がする。 夜は虫の声のみ、静かな地である。 虫の声を、いくつ聞き分けられるか。闇の奥まるあの辺りに、声が。 一村の天地の一日を静める、虫の声である。 夜は、虫の天下でもある。

『薄茶色一筆入れて山九月』

多度峡はハイキング、川遊びと8月は家族連れの声が弾けていた。 川の流れを堰き止めた、天然プールが市の施設としてあり、利用されている。プール開きも行われた。 そして今、多度の山に薄茶色が混じり出した。 山九月である。

『鈴鹿嶺を岩礁と置く鰯雲』

一昨日の朝、鈴鹿の山に今年初めての鰯雲を見た。午後も畑作業中に鰯雲を。 鈴鹿山脈は、三重県北部の滋賀県境に位置する。1000m〜1200mの山々。地元のシンボルで「鈴鹿セブンマウンテン」と言われてる。 御在所岳1212mが最も人気の山。登山、ロープウエイ、…

『にこやかな絵文字の顔の案山子かな』

小学校の体験学習の田も、秋の田となり始た。 案山子が立てられ、顔は現代風の顔して。 着てるものは割烹着で、後ろは文具のクリップ5個が、補助として留めてある。 小学生の収穫作業を喜ぶ姿が、想像できる。稲雀のように声あげて。