『神域の御空の清し鵯の歌』
神社の木々は実をつけ、鳥が啄ばむ姿が見える。
一番甲高き鳴き声のひよどり。
抑揚をつけて、濁りなき声。
「ピイー、ピイー、ピイー」、「ピーヨ、ピーヨ」
境内には、神鶏も飼われていて、昼時であるが、時を告げる「コケコッコーー」も。
町中の神社である。
『「バイエル」のしらべ伸びやか青蜜柑』
小高い蜜柑山の地続きに、住宅団地が開発され、新しい生活が始まっている。
蜜柑畑の坂道が通学路。若い世帯が住み活気がある。子供が弾くピアノも聞こえる。
私の住まう団地は、開発後40年で老人世帯となり、中に転売された住まいに若い人が入居されるが、子供の声はわずか。
団地も年齢を重ねたものだ。
『青硝子大一枚の秋の空』
今日は朝から青空、雲ひとつなく大きな空。
それが昼過ぎても、そして一日通しての青空。
秋を、たっぷり広げてくれた。
標高403mの多度山、登山道が整備され一時間で登れる。
山頂では、名古屋駅の高層ビル群が見渡せる。
今年の5〜8月登山者は3万人、例年の倍との新聞記事。
この時期、探鳥会が鷹の渡りを観察したり、パラグライダーの発射台が中腹にあり、また一昨日は熱気球が浮かんでいるのを見かけた。
都市近郊の山として、親しまれている多度山である。
『峡の畑あれこれ熟れし銀杏の実』
銀杏の実。
銀杏の葉はまだ緑、黄葉はこれから。
色づいた実を、いっぱい枝につけている。
農家さんがシートを敷き、落ちる実を収穫するようだ。
食する〝ぎんなん〟とするには手間をかける。
種皮は悪臭や、手で触ればかぶれもする。
スーパーの地元農家さんの売場に、ぎんなんが並ぶのはまだ先のこと。
柿や栗なども、畑で色づいている。